スタッフ

高瀨 將嗣
監督
高瀨 將嗣

1957年生まれ。東京都出身。日本映画監督協会 理事。芸道殺陣「波濤流」高瀬道場 顧問・相談役。
国士舘大学卒業後、殺陣師として活動を開始。主な作品に映画『ビー・バップ・ハイ・スクール(85)』『あぶない刑事(87)』『マルタイの女(97)』『花のあと(10)』『海辺の映画館(18)』など。 2002年には仏映画『WASABI』でもアクションを担当し、同年、日本DVC大賞にて最優秀アクション監督賞を受賞。1991年に『極道ステーキ』で映画監督デビューし。主な作品に『武闘の帝王』(93~94)、『新・日本の首領』(04~06)など。アクション系だけでなくコメディにも定評があり、最近作の『昭和最強高校伝 國士参上!! (16)』では青春アクション喜劇として全国主要都市で公開、好評を博した。月刊「映画秘宝」にてコラム「技斗番長・活劇与太郎行進曲」を15年間にわたって連載、「技斗番長 活劇戦記」として単行本化。2016年、「映画の日」永年勤続功労賞を受賞。

國吉 卓爾
脚本
國吉 卓爾

高知県出身。会社役員。
本作『カスリコ』で、第26回新人シナリオコンクール 特別賞 大伴昌司賞準佳作を受賞。

インタビュー

   物語の主な舞台は、高度経済成長期にあった高知の博打場。そこにはやはり実体験も?
そうですね。昭和30年代の後半から40年代にかけてというのは、戦後の日本が一番豊かだった頃。裏を返せば、その豊かさゆえに多くの人がギャンブルに溺れて道を踏みはずしていった時代でもあるのです。で、今にして思えば、あの頃の博打場には色んな人間がいたな……と。22、3歳の若造だった当時の自分には無かった「人への興味」が、この歳になってがぜん沸いてきたわけです。
   建前として違法ではあっても、まだ大らかさも色濃く残る。庶民の娯楽としての博打の描写が新鮮でした。
ヘンな言い方ですけど、あの頃は裏社会の秩序もしっかり保たれていました。だから、吾一のような料理人や会社を経営している人たちまで、誰もが安心してきれいに遊べる場所が当時の博打場でもあったんです。その代わりに、博打で身上をつぶしても、それらはぜんぶ自己責任。山や田を売る者がいれば逃げだす者も当然いる。自ら命を絶つ人も少なからずおりましたね。
   しかし、そんなリスクを負ってもなお、魅了されるのが“手本引き”だったと。
丁半博打なんかには無い、人間の心の内の読みあい。単なる勝ち負けとは違う奥深さがそこにはある。手本引きが王道やとしたら、カジノ遊びなんて、ジャンケンと一緒(笑)。これは実際にやった者にしかわからない魅力かもしれませんね。
   劇中では、荒木が吾一に救いの手を差しのべます。ああいった人情味は、高知という土地柄の「らしさ」でも?
それはあります。高知の人間は情が深いから、一度縁を持ったらとことんつきあう。大袈裟なようですが戦国時代の昔から変わらない気風ですし、みんなで大皿をつつきながら、差しつ差されつする皿鉢(さわち)料理の文化なんかもその現れだと思います。そういう、高知に息づいてきた人間の“情”と、もはや二度と戻ることのない、あの時代の“風情”を「カスリコ」で少しでも感じてもらえれば、うれしいですね。